クリスマスケーキの起源・由来・歴史とは?

クリスマスケーキはクリスマスを祝って食べるケーキとして19世紀にフランスで作られるようになりました。

「ブッシュ・ド・ノエル」というケーキが起源とされています。

ビュッシュ・ド・ノエルとも表記されますが
フランス語の発音をカタカナにするときに生じる違いです。

フランス語でノエルが「クリスマス」、ブッシュは「木、丸太」で「クリスマスの薪」という意味です。

ブッシュ・ド・ノエルは輪切りにしていない長いままのロールケーキの表面をチョコレートクリームやココアクリームで覆いフォークで引っかくように波型の筋をつけ薪に見立てたお菓子です。


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なぜ薪なのかというとこういった薪がたのものでお祝いする文化はキリスト生誕以前からあります。

かつてヨーロッパの各家庭では12月の上旬に大きな薪を焼き、冬至を祝いました。
日本だと冬至は、かぼちゃとゆず湯のイメージですよね。

ブッシュ・ド・ノエルはその薪に由来しているのです。

ちなみにドイツのクリスマスケーキ『シュトーレン』はドイツ語で柱や棒という意味です。

一説によればキノコはキリストの誕生を表しているそうです。
何もないところから忽然と生えてくる神秘性から生命誕生の象徴として捉えられたのです。

クリスマスケーキはヨーロッパの文化と宗教的文化が相まって生まれたといえますね。

なので、その土地どちによって多様なクリスマスケーキがあるのです。

世界のクリスマスケーキ

【イギリス】クリスマスプディング

イギリスのクリスマスケーキです。名前の通りにプリンなのではなくパンウンドケーキに近いデザートです。

イギリスではこのプディングの中に指輪やコインなどの小物を混ぜ込み切り分けられたときに当たった人の運勢を占う習慣があります。


【フランス】ベラベッカ

フランス北西部のアルザス地方で冬に食べられるお菓子。

生地のほとんどがドライフルーツやナッツの少量のつなぎで形をなしているので、かなり濃厚な味。
寒い冬にはフルーツが食べられないため、ドライフルーツのお菓子を食べるのかもしれないですね。


【ドイツ】シュトーレン

ドイツのクリスマスを待つ4週間の期間であるアドヴェントになくてはならない菓子。
ブランデーなどに浸けておいたドライフルーツを、たっぷりのバターと一緒に練りこんで焼いた細長いパン。別名 “法律のクリスマスケーキ” と呼ばれています。


【イタリア】パネットーネ

パネットーネ種の酵母を用いてゆっくり発酵させたブリオッシュ生地の中にレーズン、プラム、オレンジピールその他のドライフルーツを刻んだものを混ぜ込んで焼き上げます。
イタリアのクリスマスの時期だけに食べられる一品です。


【イタリア】 パンドーロ

生地が軟らかく黄金色で、バニラの香りの菓子パン。
材料は、小麦粉、砂糖、卵、バター、カカオバター、酵母だけなのですが作製技術は殊に複雑で、多数の作業行程を経て作られるためホームメイドは難しく、こちらもお店でのみの味になりそうです。


【イギリス】ミンスパイ

イギリスのクリスマスに欠かせない食べ物、それがミンスパイです。

もともとはひき肉でしたが、現在は、リンゴ、ブドウ、柑橘類などをみじん切りにしブランデー、砂糖、スエット、香辛料の液で煮込んだ後、数日間寝かせ、パイで包み焼き上げたものとなっています。


日本クリスマスケーキはイチゴと生クリームのイメージですが外国のはクリスマスケーキはパンみたいなもので、彩りとしては茶系のものが多い印象ですね。


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日本のクリスマスケーキの基本・原型を作ったのはどこ?

ヨーロッパに比べて日本のケーキは、なんともメルヘンチックですよね。

スポンジケーキに生クリームやバタークリームを塗り、その上に砂糖細工のサンタクロースやクリスマスツリー、イチゴやチョコレートを飾りつけたものが載って、まるでおとぎ話の一場面のようです。

なぜ日本のクリスマスケーキはこのかたちになったのでしょうか?

その原型と思われるものが大正14年に発行の当時最先端のお菓子を集めた本「阿住間錦」に載っています。

「パケアラクレーム」という謎の記載がります。イチゴのショートケーキに似ていますね。


イチゴのショートケーキを日本で作り出したのは「藤井林右衛門」だと言われています。

大正元年、アメリカに修行に渡った林右衛門が出会ったのは生クリームといちごをスコーンで挟んだ
「ストロベリー・ショートケイク」なるものでした。

帰国した藤井がスコーンを日本人好みのやわらかいスポンジに変えたものがイチゴのショートケーキの始まりだと言われています。


また、昭和40年代頃に冷蔵庫の普及が始まり、店舗や家庭に冷蔵庫が広く広まりました。
その頃から生クリームのショートケーキがクリスマスケーキの主流になったと言われています。

そしてこの藤井林右衛門こそが
お菓子メーカー『不二家』の創設者なのです。

日本では一般的になったクリスマスケーキの原型は不二家が大正11年(西暦1922年)頃から広めたものだったのです。

社名は、創業者である藤井家の「藤」と日本のシンボルである「富士山」

そして「二つと無い存在に」(不二)との意から『不二家』と名付けられたそうです。

不二家の店舗数は600店舗ほどでフランチャイズ店舗数ランキングでは17位の店舗数です。(FC加盟店数ランキング 2013年度調べ)

不二家はクリスマスケーキだけでなく、ミルキーやカントリーマアムなどの人気商品に加え、看板キャラクターの『ペコちゃん』は今でも根強い人気がありますよね。

クリスマスケーキの原型が不二家と聞いてなんだか納得してしまいます。

多種多様なクリスマスケーキがありますが改めて今年は不二家のクリスマスケーキを手に取ってみてはいかがでしょうか。


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