なんで、くしゃみが出るの?
「はくしょん」 とくしゃみをすると
「誰かに噂されているんじゃないの?」と言われたりしますよね。
これが連続してくしゃみをした場合
「1回はほめられ、2回はふられ、3回はほれられ、4回は風邪」などと
言われたりもしますが、いったいどうしてくしゃみが出るのでしょうか。
それを追い出そうとする反射という本能的な防御反応です。
毎年悩まされている人も多い花粉症は
花粉が飛ぶ時期に起こるアレルギー反応の総称ですが
その中で最も多くの人を悩ますのが
くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどのアレルギー性鼻炎です。
これは、呼吸によって吸い込まれた花粉が鼻の粘膜に付着して起きますが
このとき体内ではヒスタミンという化学伝達物質が放出され
それが鼻の知覚神経を刺激します。
その刺激が脳内のくしゃみを起こす中枢へ伝わると
くしゃみが出て異物である花粉を体外へ吐き飛ばそうとするのです。
ウイルスの侵入を防ごうとする防御反応です
アレルギー性鼻炎や風邪以外だと
冷たい空気やホコリを吸ったり、香辛料を吸い込んだ刺激などでも
くしゃみが起こることがあります。
これらも反射という防御反応です。
くしゃみの語源とは?
外国人がくしゃみをするところを見たことがありませんか?
外国の方がくしゃみをするとくしゃみの後に何か一言、相手に伝えていますよね。
実はこのくしゃみの後の一言がくしゃみの語源に大きく関係しています。
【アメリカ】
God bless you 神のご加護を
Saude 健康でありますように
【メキシコ】
Salud 健康をお祈りします
このようにくしゃみの後にお祈りの言葉を伝えているのです。
ではなぜ、くしゃみの後にお祈りの言葉を言うのでしょうか?
それは、くしゃみは世界中で縁起が悪いモノと考えられていたのです。
例えば中世では魂が飛び出てしまうと考えられていました。
なので、くしゃみの後にはお祈りの言葉がかけられるようになったのです。
そこで新たな疑問が浮かんできます。
日本人はくしゃみをした後に誰もなにも言わないですよね。
「風邪?」とか「お大事に」なんかは言われるかもしれませんが
各国のようにお祈りの言葉をかけたりはしません。
ですが、昔は言っていました!
それがくしゃみの語源になっているのです。
その言葉とは「休息万命(きゅうそくまんみょう)」です。
休息は体を休める
万命は長生きしてくださいという意味で
体を休めて長生きしてくださいという言葉を言っていたのです。
相手に対する思いやりの言葉が詰まっていますね。
日本でもくしゃみは縁起の悪いモノとされていました。
そのため長生きしてくださいという意味の
休息万命という言葉を念仏や呪文のように唱えていたそうです。
この休息万命という言葉がだんだん短くなって
くさめとなりました。
兼好法師の随筆『徒然草』には、尼さんが「くさめ、くさめ」と
くしゃみよけの呪文を口にしながら歩いていたという記述があります。
そして江戸時代初期にくさめが変化して
くしゃみ自体をさすように変わったと考えられています。
つまりくしゃみの語源はお祈りの言葉から来ていたのです。
もし、誰かがくしゃみをしたら「休息万命」と
言葉をかけてみるのも面白いかもしれませんね。